こんにちは。
現役金融機関職員が語る金融商品や金融機関の本音ブログ、第一回は住宅ローンについて解説していきます。
新築住宅をお探し中・購入前・住宅ローン利用初心者の方のご参考になると幸いです。
新築住宅やマンションを購入する際に住宅ローンを利用する方は多いと思います。
しかし、住宅ローンには審査があり、誰しもが借りることができるわけではありません。
審査の際にどのような点がチェックされ、どう改善すれば、より良い条件で借りることができるのか確認していきましょう。
住宅ローンの基本を学ぼう
銀行は住宅ローン融資を伸ばしたい
現在、国内の銀行は融資=貸出を伸ばしたがっています。なぜなら、銀行が日本銀行に預金を行うと、従前は利息が払われていましたが、2016年2月より日本銀行が開始した「マイナス金利政策」により、預金金利がマイナスになり、銀行は日本銀行に預金を預ければ預けるほど金利負担を負うことになってしまったからです。
また、銀行のローン担当者も年間◯億円(銀行によって違うと思いますが…)のノルマを抱えています。
そして、ローン担当者にとってノルマは必達であり、達成できなければ支店長や融資課長からお叱りを受けることもあります(ドラマでもそんな描写があると思いますが…)。
商品性を見ても、住宅ローンは長期間の貸出になるので、他の小口ローン(自動車ローンや教育ローン)に比べ、安定した収益源となるうえ、担保を設定することで安全性の高い貸出となります。
そのため、住宅ローンはどのローンよりも低い金利で貸しています。
銀行は事前審査も本審査も書類のみで判定する
住宅ローンは最長40年(銀行によっては35年の場合もある)に及ぶ長期間の融資です。
そのため、申込人がしっかりと長期間の返済を誠実にしてくれるかどうかを審査する必要があります。
審査申込時に様々な書類の提出を求められると思いますが、逆に言えば必要書類さえ揃っていれば、あとは銀行側で調べてくれるということです。
審査のチェックポイントは決まっている
銀行の住宅ローンはそのほとんどが定量的な評価しかされません。なぜなら、ローン商品は金融機関ごとに要項が作られ、その要項に当てはまる条件の人にだけ融資が可能となるからです。
評価基準には次のものがあります。
返済比率
金融機関内では「ヘンピ」なんて呼ばれたりもします。年収に対する年間総返済額の割合のことを指す用語で、大半の銀行では年収に応じて30%〜40%を上限にしています。なお、年収とは税金や年金等が差し引かれる前の税込み年収のことを指します。
例)借入額3500万円・金利1%…年間総返済額約120万円
年間総返済額120万円÷年収500万円=24%
※返済比率のシミュレーションは金融機関HPで手軽に確認することができます。
過去に借入金の延滞やクレジットカードの支払い忘れがないか
金融機関は審査時に「個人信用情報機関」と呼ばれる機関に登録された信用情報を確認して、融資の可否を決めます。信用情報とはクレジットカード契約やローン契約などの信用取引に関する信用履歴のことであり、信用情報には、クレジットカードやローンを利用した際の申込内容、契約内容や取引内容に関する履歴が記録されています。
過去に延滞やクレジットカードの支払いを忘れていると信用情報に履歴が残り、ローン審査の際に悪影響を及ぼします。
勤続年数
金融機関は長期間の融資に対して、誠実に返済を行ってくれる人にしか融資をしないと先に説明をしました。勤続年数が極端に短いと、「仕事が長続きしない人なのではないか」と貸す側も不安になります。金融機関ごとに違いはありますが、3年以上勤続していることが条件になることが多いでしょう。
最終償還時年齢
住宅ローンの最長貸出期間は40年(金融機関によっては35年)ですが、銀行では最終償還時=最後の返済時の年齢上限に制限をかけています。
なぜかというと、現在の日本では定年が60歳であり、その後は年金収入しか返済原資を確保できなくなるからです。年金は生活費としての側面が強く、銀行からしてみれば、上記「返済比率」や「勤続年数」を調べ、給与所得での返済を基に審査を行ったのに、途中から返済原資が年金に変わってしまうのは、返済に支障が出かねない、と判断するのです。
上限年齢は80歳程度の金融機関が多いと感じます。
上記のチェックポイントは一例であり、その他にも確認しているポイントはいくつかありますが、上記のポイントをクリアしていれば概ね審査には通ると思われます。
基本的には事前審査が通れば、本審査も心配はないでしょう。しかし、金融機関によっては、事前審査が承諾でも本審査で否決されることがありますので、事前審査段階では複数の金融機関へ審査依頼を出すのも一つの手だと思います。
条件の良い人が金利が低いとは限らない
金融機関が住宅ローンを融資する際には、必ずと言っていいほど「保証会社」の保証をローンに付保します。この保証を付保することにより、もし仮に債務者(借入人)が返済できなくなっても、保証会社が債務者の代わりに返済を行ってくれます。これを「代位弁済」と呼びます。
しかし、保証会社もタダで保証をしてくれるわけではありません。保証するかわりに債務者から「保証料」を受け取ります。この保証料は、融資金額に0.05〜0.5%程度(保証会社により異なります)の保証料率を掛けた金額を借入時に一括、または毎月の支払利息に併せて支払います。
条件の良い顧客はこの保証料が低く、悪い顧客は高くなります。
では、住宅ローンの金利はどう決まるかというと、「いかにその銀行と深い付き合いをするか」が鍵になってきます。
少しでも住宅ローン金利を低く抑えたいのであれば、給与振込口座の開設やネットバンキング利用、公共料金の支払いなど、金融機関の求める条件を満たすことにより、金利優遇を受けることが重要です。
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まとめ
今回は、住宅ローンについて簡単に説明させていただきました。
基本的には「金融機関も住宅ローンを貸したい」と思っていることや融資条件等が申込前に把握できていれば、審査を通すことは難しくありません。
事前準備をしっかり行い、万全な状態で審査に臨みましょう。
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