皆さんこんにちは。
現在、日本で家を購入する際に活用できる制度としては「すまい給付金」と「住宅ローン減税」の2つが最も重要です。
今回はその中からすまい給付金について詳しく解説していきます。
なお、住宅ローン減税については、下の記事で詳しく解説を行いましたので、ご参照ください。
すまい給付金を活用すれば最大50万円お得に住宅が購入可能!
すまい給付金とは?
2014年に消費税率が5%から8%に上がることを受け、増税による住宅購入の駆け込み需要増およびその後の反動減に備えて、住宅ローン控除の最大控除額がそれまでの2倍の年間40万円、10年間で400万円に拡充されました(2019年10月以降はさらに拡大されています。)。
しかし、住宅ローン控除は住宅ローンの年末残高の1%相当額が、所得税や住民税から控除される大型減税であり、年間40万円の控除を最大限に享受するためには、所得税と住民税(上限13万6500円)を40万円以上納めていることが前提です。
ところが、年収が低い方は、税金を40万円も納めてはいませんので、住宅ローン控除拡充のメリットを十分に活かせる対象が少なかったことから、年収が一定額以下の人向けに、住宅を買ったときに現金を支給するすまい給付金制度が作られました。
2019年10月の消費増税で給付額が50万円まで増額
すまい給付金は2019年10月に消費税が8%から10%へ増税することに伴って、給付対象や給付金額が変更されました。
給付金額は50万円と増額され、給付対象も下記の通り拡大されました。
【対象者】
・自分名義の住宅を購入し、実際に居住すること
・収入が一定以下であること
消費税8%の住宅を購入した場合:年収510万円以下
消費税10%の住宅を購入した場合:年収775万円以下
※いずれも年収は目安です。
・住宅ローンを利用して購入すること
・住宅ローンを利用しないで購入する場合は50歳以上であること
・2014年4月から2021年12月までに住宅の引き渡し、入居が完了しており、入居後1年以内に申請を行なっていること(新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、最長1年3ヶ月まで期間が延長されています)
【対象となる住宅】
・消費税率8%または10%が適用された住宅であること
・床面積が50㎡以上あること
・第三者の検査を受け、品質が担保されていることを証明できること
※品質の担保については、住宅瑕疵担保責任保険に加入するか建設住宅性能表示制度を利用する必要があります。
これら全ての条件を満たす場合に限り、住まい給付金の申請が可能となります。
つまり、セカンドハウスや賃貸住宅は対象にはならないわけです。
なお、中古住宅を購入した場合もすまい給付金の対象となりますが、個人間売買の場合は消費税の課税がされないことから、すまい給付金の対象とならないため、売り主は不動産会社等の法人でなければなりません。
また、 2021年12月が入居の期限となるため、現在住宅購入を検討している方は、早急に購入を決めるべきでしょう。
※制度自体が延長される可能性もありますが、過度の期待は禁物です。
すまい給付金の申請方法は?
すまい給付金の申請は、新居へ入居後1年(1年3ヶ月)以内に給付申請書と確認書類をすまい給付金事務局へ提出する必要があります。
本人が申請することが多いですが、住宅を購入したハウスメーカーや不動産会社が代理申請を行うことも可能です。
申請内容や書類などに不備がなければ、1.5~2ヶ月ほどで指定口座に給付金が振り込まれます(2020年7月現在では新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、振り込みまで3ヶ月ほどかかるようです。)。
また、すまい給付金の申請には以下の書類が必要となります。
【給付申請書】
新築住宅・中古住宅のいずれか、また住宅ローン利用の有無によって申請書様式が異なりますので、注意が必要です。
【本人確認書類】
・新居へ入居し、住所を移した後の住民票
・個人住民税の課税証明書
・不動産登記における建物の登記事項証明書・謄本
・通帳のコピーなど振込先口座が確認できる書
【住宅購入費等の確認書類】
・工事請負契約書又は不動産売買契約書の写し
・住宅ローンの金銭消費貸借契約書の写し
【住宅の品質担保確認書類】
新築住宅の場合は下記のいずれか
・住宅瑕疵担保責任保険の付保証明書の写し
・建設住宅性能評価書の写し
・住宅瑕疵担保責任保険法人検査実施確認書
中古住宅の場合は下記のいずれか
・既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書の写し
・既存住宅性能評価書(耐震等級1以上のものに限る)の写し
・住宅瑕疵担保責任保険の付保証明書の写し
・建設住宅性能評価書の写し
給付申請書はすまい給付金申請窓口や すまい給付金制度のホームページ からダウンロードにて入手することができます。
また、住宅購入金額等の確認書類や品質担保確認書類は、住宅を購入した業者から契約時や引き渡し時に手交されているはずですが、不安であれば、依頼して揃えてもらうことが可能です。
その他確認書類は市区町村役場や法務局で取得可能です。
まとめ
すまい給付金は年収が低く住宅ローン減税による還付を最大限に受けることができない方でも、十分な優遇措置を受けることを可能にした制度です。
年収の低さを理由に住宅の購入を悩んでいる方は、むしろすまい給付金が制度として残っているうちに購入を決めた方が良いでしょう。
コメント