金融円滑化対応とは?銀行は事業融資だけでなく住宅ローンにも対応する?

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皆さんこんにちは。

新型コロナウイルスの感染拡大により、資金需要が高まった結果一躍脚光を浴びている金融業界ですが、注目されているのは新規融資だけではありません。

今回は、顧客が融資やローンが返せなくなりそうな場合に金融機関が行う条件変更と金融円滑化対応について解説していきます。

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銀行融資の返済が厳しくなった時は金融円滑化対応が可能!新型コロナウイルスの影響による対応は?

金融円滑化対応とは?

俗に言う金融円滑化対応とは、平成21年12月4日に施行された時限立法「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律(通称「中小企業金融円滑化法」、「モラトリアム法」ともいう)」に基づき、日本国内の金融機関が行なっている資金の供給や条件変更等を円滑に行う対応です。

中小企業金融円滑化法は、平成25年3月末に期限を迎えましたが、金融庁等からの指示により同法に基づき対応を行っているため、金融円滑化対応と言われています。

主に、金融機関による貸し渋り・貸し剥がし対策のために立法され、同法により、金融機関は債務者から貸出条件の変更の申込があった場合は、その申込に応じるよう努力する義務、そして新規融資に応じる努力する義務を定めました。

貸し渋り、貸し剥がし等のリーマンショック時の金融機関の対応については、下記の記事をご覧ください。

同法が制定された当初は、金融機関が過剰に反応したため、ほとんどの条件変更申込が応諾されたことから、中小企業の倒産や破綻を防ぐことができました。

しかし、本来であれば条件変更に応諾するのが困難な企業にも対応してしまったため、「ゾンビ企業」とよばれる経済のサイクルの中で淘汰されるべき企業まで生き残らせてしまったデメリットもあります。

 

金融円滑化の対象資金は事業融資と住宅ローンのみ

同法は名前の通り、リーマンショックにより経営が悪化した中小零細企業を対象としていました。

しかし、実は住宅ローンの債務者も支援の対象となっていました。

そして、それは現在行われている金融円滑化対応でも同様ですので、(新型コロナウイルスの感染拡大による影響を含む)返済能力の低下等で毎月の返済が厳しくなれば、住宅ローンでも返済猶予や最終期限の延長に応じてもらえます。

 

金融円滑化対応のメリットとデメリット

上記で解説した通り、金融円滑化対応は金融機関の条件変更申込応諾への努力義務がありますので、同じ貸出条件変更でも金融円滑化対応の方が応諾される可能性は上がります。

しかし、法律による縛りがなくなった今、条件変更の申込を単純な条件変更として審査を行うか、金融円滑化対応として審査を行うかは金融機関に委ねられています。

また、金融円滑化対応は金融機関にとって面倒な手続きが多数あるからです。

多くの金融機関では、役員クラスが委員となる「金融円滑化委員会」等の専用の審査機関を設け、応諾の可否を決めたり、同委員会に至るまでに通常の審査とは異なる資料の作成が求められます。

ですので、可能であれば金融機関の担当者は労力をかけずに済む通常の条件変更として、申し込みを処理しがちです。

しかし、上記でも触れた通り、金融円滑化対応は「顧客からの条件変更申込があった場合は応じる努力義務がある」としていますので、顧客から「金融円滑化対応として申し込みたいです」と伝えることで、応諾せざるを得なくなります。

つまり、顧客が金融円滑化について知っているか否かで融資担当者の申込の捌き方が変わる可能性があるのです。

 

金融円滑化対応を金融機関に行ってもらうためには

上記で記載した通り、前提としては、条件変更の申込みを行う債務者が金融円滑化対応の詳細について知っている必要があります。

その上で、金融機関の融資担当者に「◯◯(原因は何でも問題はありません)の原因で、融資してもらっている借入金の返済が厳しくなったため、金融円滑化対応で条件変更を行って欲しい。返済する意思は強くあります。」と伝えます。

ここで重要なのは、「返済意思は強くある」と伝えることです。

なぜなら、一度返済が困難になった借入金の返済は債務者の「事業を立て直そうとする強い意思」が重要であり、金融機関側も返済意思がない、または弱い人に対して条件変更を行っても、融資金が返ってくる可能性が低いと考えるからです。

もし、信用保証協会等の保証付きの融資で返済の意思が金融機関に認められなければ、契約書の条項に基づき代位弁済(保証機関による借入金の肩代わり)が行われ、債務者は最悪破産に追い込まれる可能性があります。

 

事業資金の金融円滑化を受けるためには「経営改善計画」の策定が必要

事業資金の場合、金融円滑化対応を受けるためには、経営改善計画の策定が必要になります。

もちろん申込み時点では必要ありませんが、経営が傾いている以上、策定しなければ収益が勝手に改善することはありません。

策定の方法は、メインバンクとなっている金融機関に相談すれば、コンサルタント会社を紹介してくれたり、ある程度ノウハウのある金融機関であれば、融資担当者が策定の手助けをしてくれたりします。

なお、住宅ローンの場合は、ある程度将来の収入の見通しが立っていれば問題ありません。

 

まとめ

金融円滑化対応は、返済が困難になった債務者にとって最後の砦となるべき機能です。

もし、事業資金や住宅ローンの返済が困難になった場合は、金融機関の融資担当者に条件変更を申込み、断られたのであれば「金融円滑化対応」が可能かどうか相談するようにしましょう。

 

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