皆さんこんにちは。
最近はNYダウや日経平均は底打ち感がありますが、個人的には、まだ底を打ったとは思っていません。
今回は、今後の株価の動向について、私なりに考察していきたいと思います。
新型コロナウイルスによる景気悪化はこれからが本番?株価下落はまだ序の口!
新型コロナウイルスは終息する見込みが立っていない
新型コロナの影響で日経平均株価は、2020年1月20日に付けた高値24,083円から2020年3月19日の16,887円まで急落しました。
また、NYダウも2020年2月12日に付けた高値29,568ドルから2020年3月23日の18,591ドルまで急落しています。
これは、中国や日本だけではなくて、 世界中に影響が出るという事が世界中でようやく認識されたため起きた下落でした。
その後、株式市場は、各国の行う経済政策を好感し、株価が上昇に向かう局面に入りました。
しかし、私は、現在の株価上昇が織り込んでいるのは、 あくまで現時点で分かっている影響のみとしか考えていません。
つまり、新型コロナウイルス世界中に広がった結果、世界中の経済に一時的な悪影響が出るという所までです。
実際に、現時点の株価は、アメリカの経済活動再開を見通して、次第に上昇しています。
ですが、そもそもこの新型コロナウイルスの終息は全く見通しが立っていません。
また、仮にアメリカでの感染拡大が収束しても、日本やヨーロッパ、中国での感染拡大が続けば、経済的な影響は出続けます。
そうなれば、日本の観光業界や飲食業界は直接的な影響を受け続けますし、海外に製造拠点を持ち、エンドユーザーも海外が主力となる自動車業界を中心とした製造業界は、部品が輸入できなかったり、販売不振に陥る等のダメージを受け続けることになります。
このような状況が続けば、上記のような業界では倒産する企業が相次いで出てくると思われます。
そして、業績の悪化は中小企業に限ったことではなく、コロナウイルスによる悪影響が続けば、大企業にも及ぶ可能性があります。
一社の倒産が金融機関に疑心暗鬼を生む
ある業界の企業の中で、リセッション以前は特段問題なく操業していた企業が1社でも倒産すると金融機関は、「同じ業界の企業も業績が悪化しているのではないか」と考え、貸し渋りや貸し剥がしを行う可能性があります。
貸し渋りや貸し剥がしの詳細については下記記事をご覧ください。
もちろん、金融機関はいきなり融資を引き上げることはあり得ませんが、新規の融資に慎重になることは間違いありません。
もし、そうなれば、現時点で資金繰りに窮している企業は、新規の融資を受けられず、業界全体に倒産などが広がる可能性があります。
倒産が増加すれば、金融機関はさらに貸し渋りの姿勢を強めることが想定されます。
また、金融庁や全国銀行協会は、連鎖倒産を防ぐために、金融円滑化対応や公的な制度融資を行っていますが、対応には限度があります。
つまり、市中の金融機関が、倒産を防ぐための融資を行わなければ、信用収縮が起こり、結果的に金融危機となる可能性が出てきます。
そして、金融危機が起きれば、現在とは比較にならないほど、世界中の株価が下落するリスクがあるのです。
実際、日産やトヨタといった大企業も金融機関に対し、融資枠を広げるよう要請を出しています。
これが何を意味しているのか、それは、トヨタや日産のような大企業でも資金繰りが苦しくなる可能性があるという危機感を持っているということです。
リーマンショックでは複数回底をつけて株価が下落した
リーマンショックが起きた際は、 2008年9月から何度も反発と下落を繰り返すことで底が形成され、株価が回復局面に入ったのは、2009年3月に入ってからでした(下表参照)。
(上表の矢印の通り、複数回底が形成されている。)
2008年に起きたリーマンショックは、世界中の金融機関が大量に保有していたCDO(債務担保証券)の市場が崩壊したため、自己資本が毀損したことが原因でした。
リーマンショックとコロナショックの違いは下記の記事で考察していますので、ご覧ください。
しかし、実はCDO市場の危険性は2007年の「パリバショック」が起きたときから指摘されていました。
パリバショックとは、フランスに拠点を置いていた世界規模の金融グループだったBNPパリバがファンドの解約を停止したことでCDO商品の信用不安が高まり、後に起こるリーマンショックの引き金になったと言われています。
当時の株価を見ると、パリバショック後は一時的に下がりましたが、そこから一旦は持ち直しています。
しかし、パリバショックが起こってから約1年後、2008年の9月にリーマンショックが起こり、皆さんがご存知の通り、株価は下落局面に突入しました。
つまり、一旦は株価が持ち直しても、投資家が予想しないような大企業が倒産する等の大きなインパクトのある出来事が起こったときに、最悪の事態が起こる可能性があります。
今後も株価が下落する可能性は十分にある
以前の記事で記載した通り、原油価格の急落で、アメリカのシェールオイル業界が不安定な状況にあることを解説しました。
上記の記事で記載した通り、シェールオイル業界で倒産が相次ぐようになると、格付けが低くデフォルト(債務不履行)の可能性が高いジャンク債(ハイイールド債)市場は崩壊し、さらなる株価の下落を招くことになります。
こういったことを考えると、コロナショックにより起きた株価下落はまだ1番底であり、2番底、3番底が待っている可能性があります。
つまり、現在は、リーマンショックが起きる前のパリバショックの段階の可能性があるのです。
まとめ
一旦は底打ち感のある相場が続いていますが、企業への影響がはっきりと出始まるのは、まだしばらく先になると思われます。
また、安定した相場がしばらく続いたからといって、焦って買い進める必要もありません。
明確なフォロースルーのサインが出てから買い始めても遅くはありませんので、感情的にならず、冷静に相場を分析するようにしましょう。
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