住宅ローン控除は確定申告すると所得税と住民税が還付される?

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皆さんこんにちは。

新築住宅やマンションを購入すると、控除を受けることができるのが住宅ローン控除です。

今回は、この住宅ローン控除の詳細と手続きについて詳しく解説していきます(情報は2020年7月現在のものです)。

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最長13年間税金が還付される住宅ローン控除を受ける方法とは?住民税も対象となるのか?

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、住宅用土地・新築やマンション等の購入及び増改築・リフォームを行った際に住宅ローンを組んだ場合に、年末のローン残高に応じて税額が控除できる制度です。

正式名称を「住宅借入金等特別控除」といいます。

この制度は、マイホームの購入にかかる多額のお金(土地の取得費や建物の建設費、家具等)が多大な費用負担となることから、税金の費用負担を減らすことで、マイホーム購入の促進を図るために導入されました。

つまり、マイホームの取得を容易にすることで、多額のお金が動いて、景気を改善する効果を生むということです。

控除できる税金は所得税とされており、控除される期間は10年間(令和元年10月1日〜令和2年12月31日までに入居した方は13年間)、毎年の年末時点でのローン残高の1%が控除の対象となります。

また、控除限度額は40万円であり、認定長期優良住宅等の場合は50万円まで増加します。

 

住宅ローン控除が適用される条件とは

対象となる住宅は、戸建て形式や新築、中古を問わず、ほぼ全ての住宅・マンションが対象になります(先に土地を購入し、2年以内に住宅を新築する場合などは土地の購入のみでも適用されます。)。

それ以外にも、増改築やリフォームでも利用が可能となっています。

また、10年以上のローンを利用していることや、自ら所有し居住するための住宅を新築・取得・増改築等することが条件となります。

なお、上記の条件を満たしていれば、適用されない住宅の方が少ないくらいです。

 

住宅ローン控除の適用対象外となるパターン

以下に住宅ローン控除の適用対象外となるパターンを記載します。

①対象とならない住宅の例

 別荘、セカンドハウス、貸家

 その他債務者が住まない家

 

②対象とならない住宅ローンの例

 金融機関以外からの借り入れ(無利子又は利率0.2%未満)

 

③その他 制度対象外の例

 贈与による取得、または同一生計親族などからの取得の場合
 居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けている場合

詳しくは、以下の国税庁のホームページをご参考にしてください。

国税庁のホームページ

 

連帯債務者も住宅ローン控除の適用を受けることができる

住宅ローン控除は、住宅ローンの主債務者だけでなく、連帯債務者も条件を満たしていれば適用を受けることができます。

例えば、2,000万円の住宅ローンを夫を主債務者、妻を連帯債務者として借入を行い、住宅の持分を夫50%、妻50%とした場合、住宅ローンの借入は持分により按分されることから、夫が1,000万円、妻が1,000万円を借りていると判断されるため、お互いの所得税から税金が控除されます。

下でも記載しますが、実は住宅ローン控除は、限度額である40万円まで、一人の債務者の税金で控除を受けることは意外と難しいため、連帯債務で2人分の税金から控除を受けた方がより効果的なのです。

近年は共働き世代も増えていますので、連帯債務者として夫婦で住宅ローンを借りるのも一つの手ではないでしょうか。

なお、連帯保証人は債務者ではありませんので、適用を受けることはできないことに注意してください。

住宅ローンについては、下記の記事をご参考ください。

 

住宅ローン控除を受けるための手続きとは?

では、このような条件を充たしている場合、どのような手続きを取る必要があるのかというと、新居に入居した翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告を行うことです。

逆に言うと、一回だけ確定申告を行えば、翌年からは年末調整で済みますので、他に行うことは何もありません。

住宅ローン控除を受けるために確定申告で必要となる書類は以下のとおりです。

・(特定増改築等の場合)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

・個人番号カード等マイナンバーがわかるもの

・土地建物の登記事項証明書

・不動産の売買契約書(請負契約書)の写し

・源泉徴収票

・住宅ローンの残高証明書

・(一定の基準を満たす場合)耐震基準適合証明書または住宅性能評価書の写し

・(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅等の場合

認定通知書の写し

役所やその他の機関から取得しなければならないものが多いので、申告を行うまでに、ある程度時間に余裕をもって取得する方が良いでしょう。

確定申告が始まる前に準備しておく方が確実です。

申告手続きは申告会場に行き手続きを行えば、税務署の職員が申告方法を教えてくれますので、心配はいりません。

また、自分で確定申告を行う自信がある方は、インターネットから確定申告を行うことができる「e-Tax」を利用するという方法もあります。

 

2年目以降の手続き

上記のとおり、2年目以降は確定申告の必要はなく、年末調整で対処することができます。

給与所得者の住宅借入金等特別控除証明書と住宅ローン残高証明書を、年末調整の書類と共に勤務先に提出するだけで手続きは完了です。

なお、給与所得者の住宅借入金等特別控除証明書は、確定申告した年の10月頃に税務署から、住宅ローン残高証明書は、毎年12月頃に金融機関から送られてきます。

 

住宅ローン控除で住民税は控除されるのか

住宅ローン控除は、本来は所得税から控除される制度ですが、一人の所得税から40万円を控除するためには、相当額(1,000万円程度)の所得がなければ難しいでしょう。

では、控除しきれない金額については、どうなってしまうかと言うと、平成21年度の税制改正で住民税からも控除ができるようにするものと定められました。

ですので、所得税が40万円に満たないからと言って心配する必要はありません。

 

住民税の控除に必要な手続きは?

住宅ローン控除では、国税である所得税の控除を受けるために、初年度は確定申告、それ以降は年末調整を行います。

では、地方税である住民税の控除を受けるためにも何か手続きをしなければいけないのかと思われるかもしれませんが、特段何も対応は必要ありません。

なぜかと言うと、税務署で確定申告を済ませるとそのデータは各市区町村に送られ、そのデータに基づき、住民税の算定が行われているからです。

つまり、住宅ローン控除のデータも税務署から市区町村に送られていますので、住民税の控除を受けたいという人が市役所等で別途、手続きをする必要はないのです。

 

住民税の控除の対象は?

住宅ローン控除における住民税の控除については、一つだけ注意するポイントがあります。

それは、所得税から控除しきれなかった金額が多額の場合、その全額が住民税の控除に充てられるわけではないと言うことです。

具体的に解説を行うと、

(1)マイホームへの居住年が平成26年4月から令和3年12月までの場合は、次のいずれか少ない方の額が所得税から控除される。

①住宅ローン控除の控除可能額のうち、所得税から控除しきれなかった額

②所得税の課税所得金額の7%(上限13万6,500円)

つまり、令和3年12月までにマイホームを購入して住む場合、最大13万6,500円までしか住民税からの控除を受けられないと言うことです。

もし所得税から控除しきれなかった額がそれより多い場合は、控除しきれず、それ以上の対応はありません。

ですので、所得税の控除額が22万3,500円はなければ、住宅ローン控除を最大限利用することはできないと言うことです。

なお、居住する時期によって、以下のように適用される条件が異なりますので、注意が必要です。

(2)平成21年1月から平成26年3月までの間にマイホームを購入して居住している場合は、次のいずれか少ない方の額になります。

①住宅ローン控除の控除可能額のうち、所得税から控除しきれなかった額

②所得税の課税所得金額の5%(上限9万7,500円)

 

住民税の控除と所得税の控除の違い

上記の通り、所得税は国税であるのに対して、住民税は地方税ですので、その性質には違いがあります。

例えば、住宅ローン控除において、所得税からの控除は、確定申告や年末調整の手続きが行われると、その年の分から控除されますが、住民税は翌年分の住民税から控除されます。

これは、住民税が前年の所得により税額が決定されているためです。

その他にも、所得税の控除については、不明点があれば、税務署に相談すれば良いのに対し、住宅税は、市区町村役場の税務課に問い合わせをすることになります。

 

まとめ

住宅ローン控除では、所得税だけでなく住民税の控除も受けることができます。

しかし、控除を受けるためには、確定申告の手続きを必ず行わなければなりませんので、控除の恩恵を受けられないということがないよう、新居に引っ越した翌年は必ず確定申告を行うようにしましょう。

 

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